オンラインオリパの事業者は、どれくらい儲かっているのか。ほとんどのサイトについて、これは分かりません。非上場の会社に決算を公開する義務は限られているからです。
ただし1社だけ、数字が公開されていました。日本トレカセンターを運営する株式会社日本トレカセンターです。決算公告として公表された数字を、当白書が記録しています。
そして、その中身が異例でした。純利益が2年で2.24億円から23.59億円へ。10倍以上です。この記事では、その数字が何を意味するのかを整理します。
公開されている決算
当白書が確認した2期ぶんの数字です。いずれも決算公告として公表されたものです。
| 項目 | 2023年11月期 | 2025年11月期 | 変化 |
|---|---|---|---|
| 純利益 | 2億2,400万円 | 23億5,900万円 | 約10.5倍 |
| 純資産 | 2億3,300万円 | 43億6,400万円 | 約18.7倍 |
| 総資産 | 6億2,300万円 | 69億3,700万円 | 約11.1倍 |
| 自己資本比率 | 37.3% | 62.9% | 大幅に改善 |
会社が設立されたのは2023年4月20日です。当白書が登記で確認しています。つまり設立から2年半ほどで、純利益23億円を出しているということになります。
この数字をどう読むか
いくつか押さえておくべき点があります。順に整理します。
1. これは1社の数字です
当然ですが、他の31サイトがこうだという話ではありません。むしろ日本トレカセンターは、当白書が調べた37サイトのなかでも特徴的な存在です。
| 還元率 | 97%〜。37サイトで唯一、計算方法まで公表 |
|---|---|
| 発送 | 24時間以内。37サイトで最速の公称値 |
| ポイントの円換算 | 1コイン=1円と明記。37サイトで唯一 |
| アプリ | iOS・Android両対応 |
開示の量でも公称値でも、当白書が調べた範囲では上位のサイトです。その事業者の数字であることは、読むうえで前提になります。
2. 自己資本比率が上がっています
37.3%から62.9%への改善は、借入に頼らず利益を積み上げたことを示唆します。総資産69億円に対して純資産43億円ですから、外部からの資金に依存した拡大ではないと読めます。
3. 総資産69億円の中身は分かりません
決算公告から読めるのはここまでです。総資産の内訳、つまり現金なのか在庫のカードなのかは分かりません。オリパ事業では在庫(カード)が資産の大きな部分を占める可能性がありますが、当白書は確認できていません。
この数字が示す業界の性格
1社の決算から業界全体を語ることはできませんが、この事業の収益構造については読み取れることがあります。
まず、在庫を持つ商売でこの利益率が出ているという点です。オリパはカードを仕入れて景品にするので、原価がかかります。それでも設立2年半で純利益23億円という規模に達しています。
ここで還元率の話とつながります。同社が公表している還元率は97%〜で、計算式は「発売時点の自社基準による景品コイン数 ÷ 総販売コイン数 × 100」。売上の97%以上を景品として配ると言っている事業者が、23億円の利益を出しているということになります。
| 公称還元率 | 97%〜 |
|---|---|
| 評価の基準 | 発売時点の自社基準による景品コイン数 |
| 読み取れること | 「自社基準の評価額」と実際の仕入原価は別 |
矛盾ではありません。還元率の分子は「景品の評価額」であって「仕入にかかった費用」ではないからです。カードを相場より安く仕入れられれば、評価額97%を配りながら利益は残ります。
これは当白書が還元率の記事で書いてきた「分子の決め方で数字は動く」という論点の、実例にあたります。還元率が高いことと、事業者が儲からないことは別だということです。
2年で10倍という伸び方
もうひとつ、成長の速さについて。純資産が2.33億円から43.64億円へ、総資産が6.23億円から69.37億円へ。会社の規模そのものが10倍以上になっています。
この2年で何が起きたかを、当白書は決算数字からしか知りません。ただオンラインオリパという事業形態が、この期間に急速に広がったことは、当白書が調べた設立年の分布とも整合します。8社のうち7社が2021年以降の設立でした。
そして市場が伸びている局面では、新規参入も続きます。当白書が調べた37サイトのうち、2026年に設立された会社もありました。
利用者から見ると、これは「実績のない事業者が増えている」ということでもあります。運営会社を登記で特定できないサイトが10件あるという当白書の調査結果は、この状況と無関係ではないでしょう。
なぜ他の31社の数字は分からないのか
非上場の株式会社にも決算公告の義務はありますが、実際に公告している会社は多くありません。官報や自社サイトでの公告が必要で、費用も手間もかかるためです。
| 状況 | 数字が見えるか |
|---|---|
| 上場企業 | 有価証券報告書で詳細まで見える |
| 決算公告をしている非上場企業 | 貸借対照表の要旨が見える |
| 公告していない非上場企業 | 何も分からない |
当白書が37サイトを調べた範囲では、決算の数字を確認できたのは1社だけでした。残る31サイトについては、規模も収益性も分かりません。
そして37サイトのなかに上場企業は確認していません。いずれも非上場です。
図
日本トレカセンターの全項目を図鑑で見る運営会社・法人番号・所在地・決済・発送・送料・古物商許可・確認できなかったことまで、24項目を出典つきで一覧にしています。
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設立年から見える業界の若さ
収益の数字が出ないぶん、設立年は業界の性格を示す材料になります。当白書が確認できた8社です。
8社のうち7社が2021年以降の設立です。突出して古いのはエクストレカを運営する株式会社ミライラボラトリーの1994年で、30年以上の歴史があります。
逆に2026年2月設立の会社もあります。設立から1年経っていません。
この分布は「オンラインオリパという事業形態そのものが新しい」ことを示しています。長期の実績で判断できる会社は、ほとんどありません。
法人の形態にも差があります
細かい点ですが、当白書が商号を確認できた23社の内訳です。
合同会社は設立の費用が安く、決算公告の義務もありません。小さく始めるには合理的な選択です。それ自体は何の問題もありませんが、外から見える情報がさらに少なくなるということではあります。
数字が見えないことの意味
ここが当白書の見方です。31社の財務が分からないことは、法令上まったく問題ありません。非上場企業に開示義務は限られています。
ただし利用者から見ると、意味が1つあります。ポイントは前払いです。買った時点でお金は事業者の手元に移り、利用者は「返してもらう権利を持っているだけ」の状態になります。
相手の財務状態が分からないまま、前払いで資金を預ける。この構造は、当白書が「ポイントは使う分だけ買う」と繰り返し書いている理由の一つです。
資金決済法の前払式支払手段としての資産保全があれば話は別ですが、当白書が表示を確認できたのは1サイトだけでした。しかも有効期限が短いものは適用除外とされており、確認できたポイント期限は8件中7件がおよそ半年でした。
よくある質問
オリパの運営会社は儲かっているのですか?
当白書が決算を確認できたのは1社だけです。株式会社日本トレカセンターの2025年11月期は純利益23億5,900万円でした。残る31社については規模も収益性も分かりません。
なぜ他の会社の決算は見られないのですか?
非上場の会社にも決算公告の義務はありますが、実際に公告している会社は多くありません。当白書が調べた37サイトに上場企業は確認していません。
純利益23億円は多いのですか?
設立が2023年4月であることを考えると、2年半ほどでこの水準に達したことになります。ただし1社の数字であり、業界全体を示すものではありません。
自己資本比率62.9%は何を意味しますか?
総資産に対する純資産の割合です。37.3%から62.9%への改善は、借入に頼らず利益を積み上げたことを示唆します。ただし総資産の内訳(現金か在庫か)までは分かりません。
設立が新しい会社は避けるべきですか?
そうとは言えません。ただし長期の実績で判断できないことは確かです。当白書が確認できた8社のうち7社が2021年以降の設立でした。
財務が分からないとどんなリスクがありますか?
オリパのポイントは前払いです。相手の財務状態が分からないまま資金を預けることになります。当白書が「ポイントは使う分だけ買う」と勧めている理由の一つです。
まとめ
- 決算の数字を確認できたのは37サイト中1社だけ
- 日本トレカセンターの純利益は2.24億円(2023年11月期)→ 23.59億円(2025年11月期)
- 自己資本比率は37.3%から62.9%へ改善
- 同社の設立は2023年4月。2年半ほどでこの水準
- 37サイトに上場企業は確認していない
- 設立年を確認できた8社のうち7社が2021年以降
37
オンラインオリパ37サイトの図鑑運営会社・法人番号・還元率の公称値・古物商許可を、全サイトおなじ項目で並べています。
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ご注意
本記事は2026年9月7日時点で公開されている情報に基づいています。送料・発送日数・手数料・ポイントの有効期限は変更されることがありますので、登録・課金の前に必ず各社の特定商取引法に基づく表記をご確認ください。本記事に掲載した数値は、いずれも事業者が公表している値であり、当白書が実測した値ではありません。オンラインオリパは、支払った金額に見合うカードが手に入ることを保証するものではありません。購入は余剰資金の範囲でご判断ください。本記事のリンクには広告が含まれ、経由して登録・課金があった場合に当白書が報酬を受け取ることがあります。